貸金業者の取立て行為で問題になったのが、商工ローン・日栄の「腎臓売れ!目玉売れ!」の事件でしょう。当時の日栄男性社員は、恐喝その他で逮捕されてしまいました。ところが、いまだに貸金業者は、借金の支払いが遅れると、かなり厳しい請求を携帯、自宅、職場、果ては実家にまでしている、ということを耳にします。貸金業者には、どこまでの請求が許されていて、どういった請求が禁止されているのでしょうか?
本来、貸金業者は「金融監督庁 事務ガイドライン」や「貸金業規制法第21条」によって、借金の取立て行為を規制されています。以下は、その規制の内容を列挙したものです。
金融監督庁 事務ガイドライン3−2−2 取立て行為の規制
1.貸金業者または取立てを頼まれた人は、借主または保証人を怖がらせ、不安にさせるような次のことはしてはならない。
@ 暴力的な態度をとること。
A 大声を上げたり、乱暴な言葉を使ったりすること。
B 多人数(3名以上)で押しかけること。
2.貸金業者または取立てを頼まれた人は、借主または保証人の私生活や勤務先の平穏を妨害する次のことをしてはならない。
@ 正当な理由が無いのに、午後9時から午前8時までの間や、その他不適当な時間帯に電話・電報・訪問をしてはならない。
A 繰り返し何回も電話・電報・訪問してはいけない。
B ハリガミ、落書き、その他どんな方法であっても、借主の借入れに関する事実やプライバシーに関することをあからさまにすること。
C 勤務先を訪問して、借主や保証人を困らせ惑わせたり、不利益を与えるようなことをすること。
3.その他次のことはしてはならない。
@ 他の貸金業者からの借入れやクレジットカードの使用等によって返済するように求めること。
A 借金の整理を弁護士、認定司法書士に頼んだ旨の通知、または調停・破産・その他法的な手続きを取った通知を受取った後に、正当な理由が無いのに支払い請求すること。
B 法律上の支払い義務の無い人(例えば保証人でない家族・実家・上司など)に支払請求や取立てへの協力を求めること。
C その他正当と思えない方法で請求をすること。
以上のような条件を遵守しなければ、貸金業者は請求ができません。もし、貸金業者がそれに違反した場合は、3年以下の懲役か、300万円以下の罰金となるほか、監督官庁である金融監督庁、財務局、都庁の金融課より注意があり、貸金業者の違反が著しい場合は、営業停止や免許の取り消し等の厳しい処罰があります。
あなたが貸金業者から借金の取立てについて、違法な請求を受けた場合は、大手から中堅の業者(支店が複数都道府県にある業者)は金融監督庁に、都道府県に1店舗の業者は都道府県庁の金融課に苦情を申立てるのがよいでしょう。また、明らかに違法な取立ての場合「監督官庁に苦情申立をしたいのですが、御社の登録番号と担当者のお名前をフルネームで教えてください」と言えば、たいがいの貸金業者は引き下がるはずです。ただし、10日で何割もとるいわゆる「ヤミ金」は、警察の経済安全課か弁護士か司法書士に相談すべきです。ヤミ金は存在自体が違法ですので、刑罰(出資法違反、脅迫、恐喝罪等)をもって取り締まるしかないのです。