利息制限法の項で説明しましたとおり、利息計算をし直したことにより、過払いが生じた場合は、払いすぎたお金を返してくださいという、請求権が借り手側に発生します。
ただ消費者金融に対して、「利息計算で18%に計算し直したら、過払いになったから、払いすぎた分を返してください」と言っても、まず業者は任意では返しません。「出資法を守っているのでそんな義務はありません」とか「弁護士や司法書士を通してください」とか言い逃れする場合がほとんどでしょう。しかし本来、このような主張に法的な理由はありません。
出資法というのは、刑事罰を課されるか否かという事を定めた法律ですし、弁護士は本人の権利を代理行使しているわけですから、当該本人が権利行使することに関しては、何の問題もないからです。
しかし、そうは言っても、払わないと言う以上は、無理やりお金をゆすり取る分けにはいきません。逆に刑事告訴されてしまいます。ここは冷静に法的な権利主張として不当利得(過払い)返還の訴訟を起こすべきでしょう。
訴訟というと、おおごとのように聞こえますが、過払いを取り戻すための、不当利得返還訴訟は訴訟の中でも法律上の難しい問題があまりないので、素人の方でも意外と簡単に出来ます。
手順の流れとしましては、まず業者から過去のご本人との入出金の明細を取り寄せます。何年何月何日にいくら借りて、何年何月何日にいくら返したというのが、全て記載されているものでしたら、利息計算が可能です。電話、あるいは文章で現在の支払義務の額を明確にしたい旨、伝えて開示してもらえばいいでしょう。かかる明細をもとに利息計算をして、過払いになるようでしたら、早速、訴状を作成して管轄の裁判所に訴訟の申立てをします。(訴状は個々のケースによって異なりますので司法書士等に作成のご相談をされたほうがいいかと思います。)
このとき、裁判所は全国にたくさんありますが、基本的には原告、ここではご自身の居住地を基準に管轄が定まります。(金銭債務のため履行地、ここでは債権者の住所地に管轄権があるため)分からなければ、とりあえず最寄りの裁判所に電話をすれば、管轄の裁判所を教えてくれます。そして訴状をもって裁判所に行きます。
訴状は原告、被告の分、裁判所の分で合計3通持っていけばいいでしょう。郵送でもOKですが、実際に裁判所に訴状を持っていったほうが第一回目の口頭弁論期日も早く指定してくれる様な気がします。
その際、訴状に収入印紙や郵便切手を添付しないといけないのですが、その額は相手方に請求する過払いの額によって異なりますので、あらかじめ電話で裁判所に確認して、買っておいた方がいいでしょう。
そして、裁判所の民事訴訟の窓口で訴状を提出すれば、後日裁判所が口頭弁論の期日を指定してくれます。そして後は、口頭弁論の日にご自身の主張をそのまま述べていくだけです。最初に出しておく訴状が完璧でしたら、裁判官もあらかじめ、訴状を読んでいますので、それほど突っ込まれることもありません。
通常は裁判官が両当事者に和解を勧めますので、あまり訴訟を長引かせなくなかったら和解をしてもいいかと思います。そうすれば後は業者からの入金を待つだけです。裁判所で和解をして業者が返金しないということは通常ありえません。
以上が不当利得返還訴訟の基本的な流れですが、ケースによっては利息制限法の計算し直しによる過払いの主張が認められない場合もあります。(みなし弁済の主張)まずは取引の形態が利息制限法で計算し直す事が、可能なものか専門家にご相談されることをお勧めいたします。