自己破産をするといろんな不利益があると勘違いされている風潮があります。確かに不利益な点もありますが、ほとんど不利益なことはありません。実際、自己破産を考えられている相談者の方とお話をしていても、以下のような質問を受けることがとても多いのです。
質問@ 自己破産をすると、戸籍・住民票に載るというが本当か。
質問A 自己破産をすると、家財道具を持っていかれてしまうというのは本当か。
質問B 自己破産をすると、給料が差押さえになるというのは本当か。
質問C 自己破産をすると、何か家族に影響がでるのではないか。
質問D 自己破産をすると、もう2度とローンを組めなくなるのではないか。
質問E 自己破産をすると、選挙権がなくなるというのは本当か。
まず、質問@Eについては論外、どこの誰がいい始めたのかは知りませんがそんなことが本当にあれば憲法問題にもなってしまいますEなど、仮に本当だとすると、自己破産の申立件数の項で明らかなように、5年間で88万人の有権者数が減っていることになります。そんな話、聞いたことありません。
質問Aについては、冷蔵庫・洗濯機・テレビ・ビデオ等の生活必需品は差押え禁止物件に当たる為、破産財団に含まれないものに当ります。自己破産は言わばリセットの為の手続ですから、本質的にこれからの生活を阻害する、家財道具の没収のような行為はあり得ません。
質問Bについては、無いとは言い切れませんが、既に「判決」や「公正証書」を取られているというのでなければ、可能性としてはかなり低いと考えてもいいかと思います。
というのも、差押えをするには貸主が債務名義といって、前述の判決・公正証書の他、仮執行宣言付き支払督促・和解調書・調停調書・公正証書がないと差押えができないのです。
例えば判決を取得するには、最短でも4ヵ月程度の期間がかかります。それに対し、破産免責手続きは3ヶ月から半年くらいで終了してしまいます。貸主にもよりますが、差押えできるかどうか分からない案件に対し、人件費や経費をかける会社はそれほど多くはありません。 また破産法の改正により、破産手続き開始決定がなされてからの差し押さえは禁止されたことから、債権者から差し押さえをされる可能性は更に低くなりました。
質問Cもよくある質問です。子供の進学に影響が出ないか…というパターンが多いのですが、これはありません。ただし、子供が金融機関に就職する際などは、親の身上調査をする可能性がないとは言い切れません。(本来信用情報機関は貸し付け以外に使用してはいけないはずですが…)それ以外は、まず無いと考えてよいでしょう。
質問Dは2度と、ということはありませんが、 免責後7年間はローンを組めないと覚悟してください。 ただ、破産すべき状況の方が、仮に破産をしなかったとしても、債務超過の方に貸してくれる金融機関はありませんし、長期の延滞が発生していれば、もう既にその内容は信用情報に登録済で自己破産手続や法的手続きと同様、「事故情報」が出てしまい、結果的には同じことです。
自己破産をすることのデメリットの方が多いのであれば、5年間で88万人の人が申立てているわけですから、皆さんのお耳にも届くはずですし、周りの人の中に「やらなければよかった」という人が1人や2人いても不思議はありません。
しかし、そんな人がいないところを見ると、やはり債務超過状態においては自己破産をすることのメリットの方が大きいのではないでしょうか。